五輪金メダリストが薦める 「セカンドキャリア」
1998年長野五輪のスピードスケート金メダリスト・清水宏保さん(36歳)が、朝日新聞夕刊に月イチで寄稿されているコラム『ロケットトーク』に、本校在学生の方はもとより、本校への出願を考えているみなさんの将来をも勇気づけてくれるお話が載っていましたので、全文を紹介しましょう。
「予防医学をセカンドキャリアに」
(2010年8月31日朝日新聞夕刊/ロケットトークより)
夏の高校野球が終わった。沖縄に優勝旗が渡る感動的な幕切れを見ながら、僕は少し別のことを考えていた。
セカンドキャリアだ。甲子園に出た選手でも、全員がプロ、大学、社会人で野球を続けられるわけではない。プロに入ったとしても、1軍でスター選手となり野球をやめても生活に困らない金額を稼ぎ出せるのはほんの一握りだ。いつかはセカンドキャリアのことを考えなければならない時がくる。
僕は今、北海道・帯広市の人材育成プロジェクトのリーダーを任されている。スケートリンクを小学生から実業団の選手までが利用し、スピードスケートの人材を育てていこうという構想だ。栄養学、スポーツ医学、心理学なども取り入れて、選手を育てようとしている。その中で当初、欠けていたものがあった。予防医学だ。
親が小学生にスケートをやらせ、ケガをしてから病院のお世話になる例が多い。過度な練習のためだ。これは、スケートに限ったことではない。野球では肩、ひじ。サッカーでは、ひざを故障する若年者が多くいる。これを予防医学でなんとか食い止められないか。
それには予防医学の人材が必要だ。スポーツ選手のセカンドキャリアとしてはこの分野はうってつけではないだろうか。鍼灸師やマッサージの国家資格を取り、予防医学の知識を得て、選手のケガを未然に防ぐ。自分の経験を伝えることもできる。この需要を全国に広げていきたい。国家資格を取るために、国が援助を考えることがあってもいいだろう。
セカンドキャリアとしてはアスレティックトレーナーの資格を取り、生涯スポーツに貢献するという方法もある。喘息も運動で改善されることが証明されている。スポーツ選手のセカンドキャリアが人々の生活改善に役立つという好循環が生まれるよう、僕も微力を尽くしていきたい。
広報室/斎藤(文中の下線は私が引いたものです)
2010.09.01

